雨のち晴れ
ぬくもり
両親に捨てられた。

あたしはいらない子―。

そう思う様になった。


家族がバラバラになり
あたしは笑う事をしなくなった。

そんなあたしに祖父は色んな事を教えてくれた。

昔ながらの遊び
野菜作り、川遊び
蛍や鈴虫を取りに行ったり星座を教えてもらったりもした。
特に草木の名前は
たくさん教えてもらった。
祖父の家の庭には
たくさんの花や果物や木が植えてある。

その中に3本に枝分かれした木を「3姉妹の木だよ」と祖父は教えてくれた。

わざと枝分かれさせ、3本にしたと言う。

あたし達3姉妹が
のびのびと育っていく様にって植えたんだって―。

あたしが産まれた事を
こんなにも嬉しく思ってくれてる人がいる―。

あたし達の成長を
こんなにも楽しみにしてくれてる人がいる―。

それを知った時

凄く嬉しかったよ。

あたしの心を

優しく

温かく

包みこんでくれて

ありがとう―。
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