雨のち晴れ
母との生活に慣れてきた頃―。

母からあの男の話を聞いた。

あたしと同じ歳の子供がいる事。
父と同じ様に
ギャンブル好きで
酒好きで。

その為に小さな子供に
ご飯をあげる事も出来ず
守る為に母は
逃げる様にこの家で
暮らし始めたという事。

ばかだよ―。

男見る目ないよ。

こんなに苦労して

こんなに痩せて

本当にばかだよ―。

あたしの母を傷付けた

あの男は最低な男だった。
外面だけの男。

父の様に母を傷付けた男を
あたしは憎みました―。
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