雨のち晴れ
その日もいつもの様に待ち合わせして星を見てた。

「暇だね〜」

「お金があったらな〜」

なんて妄想まじりに話してた。

「実は面白い番号知ってるんだぁ」

いつもと違う話の展開に
あたし達は興味津々で

「なになに〜?」

って聞いてた。

「出会い系みたいなとこなんだけどね〜」

別に男に飢えてる訳じゃなかった。
ただ、友達の思いもよらない言葉が「暇」っていうこの状況を変えてくれる気がして目を輝かせながら聞いていた。

「とりあえず電話してみる?」

出会い系だったらサイトを見るだけだと思ってた。

でも想像とは全く違う言葉にあたし達は唖然としていた。

「○○まで来てくれて3万くれる人連絡待ってます。」
慣れた感じで声を録音し、電話を切った友達は教えてくれた。

「援助してもらうとこだよ」
「そうなんだ…」

面白い番号=援助交際の相手を探すとこだった。

「暇潰しに、かけてきた親父をからかおうよ」

(それだけなんだ)

心の中でホっとしてる自分がいた。

<〜♪♪>

「あっ!早速かかってきた」
そう言いながら友達はすぐに電話に出た。

あたし達に聞こえる様に
スピーカーにして。

「もしもし」

「もしも〜し」

「若いね。今いくつ?今から会えるの?何カップ?」
「14でDカップだよ〜。今から会いたいなぁ〜。オジさんいくつ?」

「おっぱい大きいね〜。オジさん、42だよ。駄目かな?」

(気持ち悪い声…)

なんて思いながらも楽しんでる自分がいた。

皆の答えは決まっていた。
「お父さんと歳変わらないぢゃ〜ん。無理だって。お断りっ!」

父と変わらない歳の男達を馬鹿にするのは気持ちが良かった。

憎んでた父に

少しでも仕返ししてる

気分だった―。
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