雨のち晴れ

妊娠

17歳の雪舞う季節―。

気持ち悪くて何度も吐き気に襲われながらあたしは病院に行った。

原因は分からなかった。

1月1日。

体調はすぐれなかったけど彼と彼の友人と過ごした。
人一倍友達想いの彼は
機嫌が悪いあたしを見て怒っていた。

「気持ち悪い…」

呟くあたしに彼は

「もう少し楽しそうにして」
あたしの気持ちを分かってくれない彼に苛立ちを覚えた。

些細な事かも知れない。

それでもあたし達は喧嘩になった。

結局喧嘩したまま神社に行き、あたしは車に残った。
気持ち悪くて早く帰りたかった。

<早く戻ってきて>
メールの文章を作成してる時…あたしは吐いた…。

作成途中のメールに<吐いた>事を付け加えて送信した。

それを見た彼は急いで車に戻ってきてくれた。

「ごめんね…」

あたしの言葉が彼に聞こえたかは分からない。

それでも彼は何も言わずにそっと背中をさすってくれたんだ。
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