雨のち晴れ
家に保険証を取りに行き、正月そうそう病院へ行った。
待ち時間の間―

彼はずっと付き添って背中をさすってくれていた。

大きな手でずっと―


名前を呼ばれると尿検査など色んな検査をした。

検査が終わり、再び名前を呼ばれると笑顔で先生は待っていた。

「妊娠ですね」

思いもよらない言葉に
あたしは戸惑っていた。

表の椅子で不安そうな顔をして待っていた彼を見た時あたしは思ったんだ。

(この人なら…幸せにしてくれる…よね)

自分に言い聞かせる様に
何度も何度も心の中で呟いたんだ。
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