雨のち晴れ

小さな命

子供を出産して2日目の朝―。

部屋で寝ている我が子を見ていた。

<コンコン>

(こんな時間に誰だろう)

そう思いながらも部屋の戸を開けた。

そこにいたのは彼の母親だった。

ずっと出産する事を反対し続けていた人。

その人が今目の前に立っている事が不思議だった。

でも、孫を見つめるその目からは許してくれている事がすぐに分かった。

「息子の小さい時にそっくりだわ」

なんて言いながら微笑んでいた。


小さな命が

壊れかけていた

家族を

1つにしてくれたんだ。

小さな命が

幸せを運んで来てくれたんだ。

ありがとう。

生まれてきてくれて

ホントにありがとう―。
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