気になるあいつは、僕の生徒
生徒の姿も少ない放課後、僕は急いで学年会議に出席するために廊下を走っていた。

角を曲がった瞬間誰かにぶつかった。

「いた〜」

弾みでかけていた眼鏡が飛んだ上に、床に尻餅をついた。

視界がぼんやりして、ぶつかった相手が誰なのか判らなかった。

「気ぃつけろ」

相手は長身な男子生徒だった。

「君、大丈夫だった」

と取り合えず、相手を心配したが何も応えずに、立ちすくんでいた。

「あんた、斎賀か?」

ったく、今時の生徒は、先生を呼び捨てにするのか!(斎賀先生だろうが)「あんた、眼鏡無いとすげー印象が変わるんだな」

「ヤバイぜ、その姿」
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