野獣、時々、王子様。



「んなの、決まってんだろ」

雄大は、強く、離れないように私を抱きしめた。


「俺はお前のことが……す「なにしてんだよ」」

雄大の言葉はあいつによってかき消された。



「……大杉」


「逃げたと思えば今度はこいつか?」



……っ。

もう現れないで。私の前に、雄大の前に現れないで。


関わらないでほしい。

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