野獣、時々、王子様。
「頑張れ!」
頑張れじゃないですから!
みゆきがいてくれないと心細い。
「そんなところでボーっとしているとボールが頭に当たりますよ?」
そんな言葉が頭上から降ってきた。
「……ゆ、雄大」
「変な顔」
「はっ!?毎回、毎回、変な顔って……。言われなくてもわかって『ズコーンッ』」
あれ?
なんかボールが頭に当たった……気がする……。
私はそのまま、倒れてしまった。
床が妙に冷たかった。
それだけ感じて、意識は消えていった。