野獣、時々、王子様。



ギュッ


まだ感じたこともない温かさが私を包む。



「ゆ、雄大?」


「忠告したのに。ボールが当たったら危ないって」



だって、まさかほんとに飛んでくるなんて思わなかったし。



「ごめん」


「鉄パイプだったらどうするんだよ」


「私は雄大みたいにならないよ」


「……バカ」


今なら、言える。

私のほんとの気持ちを。
素直な気持ちを。
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