雪姫炎上
(か、可愛過ぎる…!)
烈はそれ以上、要人警護のあり方に文句をつける気は失せた。
世の中の、可愛い女の子は、皆警護されるべきだ。


烈…雪姫(着ぐるみ)は、ちょこまかと雪姫(本物)に歩み寄って、片足を少し後ろに引き、西洋風の会釈をした。

「まあ、可愛らしい!はじめまして、雪と申します。」
姫は、にっこりと上品に笑って、お辞儀した。慌てて雪姫(着ぐるみ)もぺこぺことお辞儀する。
「本当に可愛いのね。私がモデルだなんて、おこがましいわ。」
姫は、雪姫(着ぐるみ)を思い切り抱きしめた。

(………!)
着ぐるみの中で、烈は硬直した。
(これは、天職なのかもしれない!)

烈は、着ぐるみなのをいい事に、姫の頭をぺたぺたと撫でた。




畠中雪
16歳。県内屈指の進学校、県立畠中高校1年。身長155cm。畠中市長の長女。お嬢様学校の華やかな制服が似合いそうでもあるが、公立高にありがちなごく普通の黒いセーラー服。スカート丈は、清楚に膝丈。県立に通うのは、藩主が設立した塾を基にした高校だからである。

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