雪姫炎上
ドカッ!

横から蹴りを入れられて、烈はよろめいた。
「…?」
静は、大切な大切な雪姫様の御着ぐるみを足蹴にするはずがない。
狭い視界で犯人を捜す。

目に入ったのは、白髪。あるいは白髪のウィッグをつけたギャルだった。
「やめとけよ、雪。どうせ中に入ってんのは、キモいおっさんだって。」
白い髪は連獅子のようにふわふわとボリュームを持たせている。
この髪色に似合うのは、むしろガングロだろうに、あくまで顔色は青白く、ゴスロリメイクが施されている。制服は姫と同じセーラー服だったが、スカートはぎりぎりの短さだった。
不気味な女に、虫けらのように見下され、烈はぶち切れた。

「……!」
とはいえ、一片の職業意識は残っていたらしく、声を上げずに、白髪女に掴みかかろうとする。

「やめろ!」
静が雪姫(着ぐるみ)を抱きとめた。馬鹿力でもがく着ぐるみを押さえ込む。
「椿様は、雪姫様のSPだ。無礼な振る舞いは許さんぞ!」
「……?」


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