one's ~いつかの空へ~
『お前、説得力のカケラもねぇって…』
遼介は呆れた様子で、弁解することもなかった。
だけど、澪の説明で何となく僕は納得した。
『ここ、良い場所だろ?』
『え…あ、うん。すごい良い場所だよ』
不意に振られて少し戸惑った。
彼はまだ淡い明るみのある西空を見つめている。
『俺が澪とまともに会話したのもこの場所で、こんな空の下だったな…』
『そう言えばそうだね、秋だったから時間はもっと早かったけど』
『これもきっと何かの縁だろ、これからよろしくな、浩輝』