one's ~いつかの空へ~
中学一年の夏の始まり。
その日は小雨が降っていて、私はお気に入りのピンクの傘をさして登校した。
今日は少しワクワクしながらの登校。
理由は、私のクラスに新しく転校生が来る日だから。
先生は東京から来る男の子ってしか話さなかったけど、どんな人が来るのかなぁ…
っていうのも、席が空いてるのが私の隣の席だけだから、きっと私の隣になる。
だから恐い人だったらどうしよ~…
とか、私は一人無意味な事ばかり考えていた。
『おはようさん』
妄想中の私を現実に引き寄せるかのように、その挨拶はすんなり私の耳に入ってきた。