one's ~いつかの空へ~
『え!?あ…うん、おはよう!』
私はすごい焦りながら挨拶を返す。
挨拶の主は幼なじみの宮原遼介、通称『遼ちゃん』だった。
遼ちゃんはこんな雨の日でもスポーツウェアを着て、走って登校していた。
『何ぼ~っとしてんだよ、どうせまたくだらない妄想だろ』
いきなり核心をつかれた私は言葉を濁した。
『く…くだらない妄想じゃないもん、ちゃんとした妄想だもん』
とりあえず弁解しておく私。
だけど自分で口にしておいて、この言い訳はおかしいよね…と感じていた。
『その発言は怪しすぎるだろ…』