新春対談
最終章
バスは最終目的地に到着した。

栄三 「音楽ラウンジ『虹の音色』ってマイピアニストの舞台ですよね」

上和田 「はい、最後はこちらでゆっくりと、お酒でも飲みながら如何かなと」

美月 「賛成っ」

一同爆笑。

万里 「田辺さんは、彼女とお酒を酌み交わしたことは有りますか」

栄三 「そういえば殆ど無いですね。私もあまり飲まないほうですし」

万里 「良かった。僕の設定では、彼女はあまり強くないんです。まあ、ワインを2杯も飲めば良いところかな…。ほんのり赤くなって、魅力的になるんです」

栄三 「なるほど、流石にキャラクター設定はできてますね」

万里 「そう、ストーリーの中にはない設定までしておくと、作品の中での人物の動きが自然になる。彼女は単に、一生懸命なだけではなく、悩んだり、苦しんだりします。でも、作品内ではそれを酒で紛らわしたりしない。何故か、それは弱いからなんです。でもその悩んでいる姿が田辺さんに伝わるから、展開が広がる」

栄三 「確かに、酒で紛らわして、二日酔いの匂いプンプンで現れたら、なんだこの女は…ってことになりかねない(笑)」
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