新春対談
万里 「お、中沢咲がピアノを弾きます。少し耳を傾けてみましょうか」

(曲はショパンの前奏曲『雨だれ』、ドビュッシーの『月の光』、リストの『水の戯れ』…と続いていきます)

万里 「私はピアノが弾けないけど、ピアノ曲が大好きなんです。だからピアノを弾ける女性に憧れる」

美月 「中沢咲さんも万里さんの憧れの女性像なんですね」

万里 「はい、音楽も文学も、似ていると思うんです。音楽は人の感性に直接音を通して訴えかけてくる。文学は作者が伝えたい事を文章を通して感性に訴えかけてくる。どちらも感性の弱い人には意味をなさない」

栄三 「確かに、文学は学問ではなく、芸術に近い。なぜなら映像に映し出すこともできますから」

万里 「しかし、感性の弱い監督さんが制作すると、名作も駄作になってしまう(笑)」

美月 「作家が描く作品の映像に、映画監督が如何に近づけるかという問題があるわけですね」

万里 「そうですね。音楽でいうならば、解釈の問題なんです」
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