新春対談
美月 「万里さんの作品の中の人物は、素敵な人が多いですよね」

万里 「ノロケですか」

美月 「え、あ、いや、そんな意味ではなくて」

万里 「僕の作品の中の人物は、最初からカッコ良かったりするキャラクターは、あんまりいません。何か欠点のある人間が、作品の中で自然と魅力的な人間に変わっていったり、何かしら問題を抱えている場合が多いですね。最初から格好良さを出すと、そこには綻びが出来て、魅力を消してしまうような気がするんです。でも、最初に弱点を持っていると、それを補う異性の存在感を引き立てる事ができますから、自然と純愛路線の作品が出来上がる。そんな感じかな」

栄三 「その路線が一番しっかりと見えていたのがファンレターだった。というわけですか」

万里 「そうですね。美月さんのキャラクターは僕の理想の女性像にかなり近い。出しゃばらず、奥ゆかしくて、好きな人を陰から必死に支えようと奮闘する姿が素敵なんです。作品を書きながら田辺さんに嫉妬したりして(笑)」

栄三 「確かに、こんなにも素敵な相方をいただけたことは、光栄の至りですよ」

美月 「だから、私の話はいいですから…」
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