鋭く甘い視線の先の獲物


この時彼の旅行の本当の目的を私は、知るよしもなかった。


その夜、中学の時から仲のいい友達である百合【ユリ】から一本の電話が入った。


百合は私と彼の事を何故かあまりよく思っていなかった。


その理由を百合に聞いても『なんとなく』の一点張りで…。


百合は頭ごなしに物を言う子じゃないってのは重々に承知してる。


でも、理由を教えて貰えない私には百合の考えを受け入れる事が出来なかった。



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