鋭く甘い視線の先の獲物
「…男といたのか?」
「ええ。初対面の男と意気投合しちゃってバーで飲んでたの」
「そうか」
色男とまともな会話したの、なんだか久し振りな気がする。
一緒に住んでるのに、おかしな話しよね。
「ねぇ。あなたの下の名前は?」
「……恭也だ」
「そうなんだ。私の名前は」
「…桜、だろ」
「知ってたのね」
「当たり前だろが。俺はお前の上司って事、忘れてんじゃねーよ」
あ、そっか。
すっかり忘れてた。