鋭く甘い視線の先の獲物
「…こうしちゃいられない」
私に迷いはなかった。
自室へ戻ると、護身用の為の銃をクローゼットから取り出しスーツの内ポケットへ入れた。
これは、もしもの時の為。
メモを手にしたまま、マンションを後にし駐車場から車を出して、すぐに片桐のいるであろう住所へと向かう。
こんな事したらきっと…恭也さんに叱られるんだろうな。
だけど、そんな事を言ってる場合じゃないもの…。
私は叱られたって構わない。
あなたが…ずっと、傍に居てくれるなら。