鋭く甘い視線の先の獲物
どれぐらい泣き続けたんだろうか…すっかり夜遅くなっちゃった。
今頃…恭也さんと百合は会ってるんだろうか…。
今二人は何を思ってるの…?
再会出来て…幸せ?
また出て来そうな涙を我慢し、歯を食いしばりホテルを出て外食しようと一階のロビーへとおりた。
エレベーターから出てロビーへ歩くと、一人の男性が私へ向かって歩いて来る。
……恭也さん?
や、やだ…どうして…。
今は会いたくない…。
私は再びエレベーターへ乗り込むと、恭也さんは走ってこっちへ来る。
私は何度も何度も扉が閉まるボタンを押しつづける。
「この、ボケっ!!俺の話しぐらい聞けねぇのかっ!!お前が来るまで、待ってるからなっ!!」
恭也さんの言葉を聞いてすぐ扉が完全に閉まった…。