鋭く甘い視線の先の獲物


「何言ってるの?冗談やめてよ」


「冗談に見えるか?」


「……からかわないで」



男は私へと顔を近付けると、私は男の手首を掴んで無理矢理自分から引きはがした。



「お前、見た目と違って力強ぇな」


「余計なお世話よ。さようなら」



男に見向きもせずに、カツカツとヒールの音を響かせながらその場を後にした。


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