鋭く甘い視線の先の獲物
「屋敷から帰る時、お前が落ち着くまで待っててくれたんじゃないのか?」
「…散々な厭味言われたけどね」
「お前が、屋敷へ潜入する時電話鳴らしただろ?」
「…ええ。撤回命令出されたわ」
「あん時、本部から署へ来たアイツ血相変えてたぞ。心配してたんじゃないのか?」
「くすくす。そんな訳ないじゃない。命令無視されて血相変えたんでしょ」
「まあ、認めたくないのはわからなくもないが…事実だ」
慎矢は私を見ると不適な笑みを浮かべてタバコをくわえた。
この人…明らかに面白がってるわね…。