鋭く甘い視線の先の獲物


「……喧嘩でもしたの?」


「…嫌…まあ、似た様なもんだ」


「…そっか」




傷口がなるべく滲みない様にと優しくゆっくり消毒をしながら私は男へ話しかけた。


大の大人が喧嘩をするとは思えないし…。
ましてや本部の人間なんだもの。
簡単に喧嘩なんてする筈がない。


かと言って深く聞くなんて事も出来ないし。
この人は一体、何者なんだろうか…。


ただの本部の人間…?



< 81 / 268 >

この作品をシェア

pagetop