鋭く甘い視線の先の獲物


考えたって仕方ない事はわかってる。
聞いたって仕方ない事も…。




「よし。出来た。応急処置しただけだから、ちゃんと医者に見て貰った方がいいと思うわ」


「…手間かけさせたな」


「本当よー。たかが消毒するのに、拒否するんだもの。面倒臭い男だわ」


「…うるせぇ」




男は頭をわしゃわしゃと掻いたかと思うとトサッとベッドへと寝転んだ。


きっと傷口が痛むのね。
今日はもうそっとしておこう。


私は『おやすみ』と一言告げると、男の部屋を後にした。



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