TERRIBLE*CASTLE


しばらくリウラはベンチでうずくまっていた。


凛とした美しい顔も涙でぐしゃぐしゃになっていた。


普段走らないので足は真っ赤にはれ上がっていた。


細く綺麗なストレートの髪も乱れていた。


この時リウラは7年前以来初めて泣いた。今までたまっていたものも一緒にあふれでてきた。


空を見上げれば雲から月が見え隠れし、紺色の空に無数の輝きが満ちていた。


リウラは城に帰ろうともせずたったひとりで夜空を眺めた。
< 34 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop