俺は男になりたかった。
一緒の人
次の日
「……」
雅の家のチャイムを押した。
ピンポーン…という音が家の中で反響する。
ちらりと俺は横に目をやった。
「………は!?」
両親の車がある。
いない時じゃないと家に上がったことがないのに。
急に緊張する。
こんなことならちゃんとワックスで髪立ててくるんだった。
ぼっさぼさじゃねぇか…
手にはじっとりと汗をかいていた。
な、なんでこんな緊張するんだよ…
バタバタバタバタ…と階段を駆け降りる音がする。
「お、海里!あがれよ」
「…おぃ雅、母さんと父さん居んの?」
「あぁ、今日は居るよ」