俺は男になりたかった。
「くっそお前先に言えよ!」


苦笑いで雅が言った。


「なんでだよ」


「髪、雅だったらいいと思って立ててねぇよ」


「そんなことか。まぁ入れ入れ」


「…ぉい」


そんなこと?と、少し膨れながら、奥に入った。


案内されたのはリビング。


「今日雅の部屋じゃねえの?」


「遊びは後でな」


……?


「親父、お袋!海里連れて来た」


そう言うと綺麗な両親が奥からやって来た。


「お、海里ちゃん!」


海里ちゃんという言い方に少しムッとしながらも、こんにちはと小さく会釈した。
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