俺は男になりたかった。
少し胸元が破れた服からは、サラシで潰された胸が少し見えた。


「なんでこいつ潰してんの?」


「…まさか本気で男って言ってたとか?」


「気持ち悪りぃ〜」


男達の勝手な罵声は心に傷をつけた。


糞野郎…


馬鹿にすんじゃねぇよ


俺は男。


ちょっとついてるはずのものをつけ忘れただけなんだよ。


何が悪りぃんだよ!


「やめろ、離せ馬鹿!!」


「離せって言われて離す訳がないだろ?」


そう言う手は胸に伸びていく。


荒い息遣い。


…………ヤられる


そう直感した。


なんで俺の体は女なんだろう。


なんで女なんだろう。


なんで


なんで?
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