俺は男になりたかった。
もう希望はなかった。


あんなに抵抗したのに今は力も入らない。


絶望しかなかった、そんなとき。


君と出会った。


「すみません、あなたたち何やってんです?」


男達は一斉にその男を見た。


少し痩せ型だけど、スポーツをしてそうな筋肉。


整った顔も綺麗。


これがこいつに対する第一印象。


「あ?なんだてめぇ」


「しゃしゃり出んじゃねぇよ」


…こいつもどうせ助けれないってわかったら俺をシカトして行くんだろ?


俺の親みたいに。


助けて貰えるかもって期待抱かせて、突き放す。


本当、余計なお世話だからしゃしゃり出んなよ…


「あ、やめる気ないんですか?」


威勢がいいのは最初だけ。


「ねぇに決まってんだろ?そこで指でもくわえて見とけ」


もうどうせ俺なんてほっておいてどっか行くんだろ?


「あ、そうですか。ならいいです。」





………ほら。
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