小さな約束



まぁ、これからどうにかして青い指輪を探そう。


確か、私リビングに向かって投げたんだけど…。もしかしたら、違う方向に投げてたかもしれない…。





「と〜とりあえず、ご飯でも食べる?……遅いけど。」


最初ノリノリで言ったのに、時計を見て一気にテンションが下がっていった日陽を見て、私はクスリと笑うと、「おなかすいたぁ!食べたいっ」

と子供のように言った。


日陽は「オーケィ!」とテンションを戻すと、キッチンへと向かって行った。

時計を見ると、12時が過ぎようとしていた。



そりゃ、最後の方テンションが低くなる筈だわ…。



そうだ、今のうちに指輪を探そうっ!




取りあえず、私はソファーの下やテレビ・テーブルの下を探し、無いのを確認すると、入り口付近も探したが、見つからなかった。







「オムライス出来た」






入り口付近の鏡をどけようとした時、キッチンからいい匂いと共に、日陽がオムライスを手にやって来た。


「おいしそうっ!」



グー




「…。」

「…。」


私のお腹から、グーという音が聞こえた。


あっ。晩御飯食べてなかった//…



私達は顔を見合わせて、笑った。



あれ?普通に笑えてるじゃん。

まるで、一月前までの私達みたい。




ただ、違うのは、私が小さいという事だけ。

この事実が無かったら、私は今、心から笑えていたのだろうか。
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