小さな約束
「ねぇ?何で、君は振り向いてくれないの?」
「振り向きたい。でも、振り向いたらダメなんだ。アナタの為にも…。」
「ふぁぁ…。」
鳥の鳴き声で目が覚めた私。
目覚めは最悪。
昨日は大失恋しちゃったし。
まぁ、もうあんな人なんて好きじゃなかったけど。
取り敢えず、起きなければ。
…っと言っても、着替えの服は無いし、せいぜいメイク用品がある位。
昨日、普通の姿で日陽に会いに来たときのバッグに、メイク用品大体は入ってる。
あ…
でも、子供がメイクしてたらなんか怪しまれるか。
じゃ私ものすごい暇じゃん…。
そういえば、変な夢を見た気がする。
何か、若い男の人と女の人が居て、「何故君は振り向いてくれないんだいん?」的な事言ってた。まぁ、夢の中だから良く覚えてないけど。
でも、男の人の方の顔、何処かで見たことがあるんだ。
それに、男の人が何か、キラキラする物を持っていた気がする。
「おっはよー」
ノックもせずに、明るい声で部屋に入ってきたのは、私の彼氏『だった』日陽。いつまでも『彼氏』って言い張ってたら、諦めがつかないからね。