小さな約束
うーん…
分からない。
そこで、私はとりあえず日陽の家を探検してみる事にした。
日陽は暫く帰ってこないだろうし、日陽の家に来ても、いつもすぐに帰るから、ちょっと楽しみだ。
今私がいる場所は日陽の部屋の前の廊下だから、とりあえずリビングに行ってみよう。
リビングでは、大きなソファ、大きなテレビ、大きなテーブルがあった。
いつ見ても、大きい。
えっ?大きすぎて中に入らない?そんな事はない。
だって、家も大きいから………
って当たり前か。
私はその綺麗な家具達を傷つけないよう、注意しながら、テレビの横にあった、小さな棚に近づいた。
…棚は小さいのか。
ズキン
見るんじゃなかったと後悔しても遅い。
そこには、可愛い女の子の姿。
その可愛い女の子は、私の親友だった。
そういえば…と、このまえ親友の美香が言っていた言葉を思い出す。
『未来はいいよね〜。日陽君と付き合えて〜。私も狙っちゃおうかな〜?』
その時は、冗談だと思って流してたけど、今おもえば、美香は本気だったのかもしれない。
もしかして、さっき日陽が会いに行ったのは、美香だろうか。
…
そうだっ!と私は、指を立てた。
日陽の浮気?している女全員に、日陽が他の女とラブラブしている写真を見せつけてやろう。
それで、少しでもその女達が悪い噂なんかをすれば、たちまち日陽のファンも取り巻きも減り、信用も減る。
これで決まりっ!
私は棚に飾ってあった小さな、その可愛い女の子の写真を伏せると、気合いのポーズをした。
じゃあ、もう遅いし、家に帰ろう。
家に帰って、とっておきの作戦を計画するんだ。
ただ、写真を見せるだけじゃ、信用の厚い日陽の信用は砕けず、私が『合成なんでしょっ?!』っと言われ、信用が減ってしまうだけだ。
まぁ、それは家に帰ってから考えよう。
私は一端日陽の部屋に戻り、ピンクの可愛いバッグを手に取り、日陽の家を早くでようとした。