小さな約束
「…?」
「……み………?…く?…みく?」
私の名前を呼ぶ声が聞こえて、目を開ければ、私は何故かフカフカのソファーの上で寝ていた。
あれ…?確か…
私指輪を指にはめて…。
そこから、記憶がない。
「お。目が覚めた?」
何だか、懐かしい声が聞こえた。
振り向くと、今、一番会いたくないあいつがいた。
「え…。」
でも、いつもの『あいつ』じゃ無かった。
いつもの『あいつ』なら、私に笑顔を見せない。
いつもの『あいつ』なら、私にこんなに優しい声をかけない。
でも、私に笑顔を見せているのも、私に優しい声を今掛けているのも、正真正銘、日陽だった。
「なんで?」
『なんで私に笑顔を見せてるの?』
付き合い始めて二ヶ月目のカップルでは、到底こんな言葉は耳にしないだろう。
でも、そい言おうとした言葉を、日陽の声が遮った。
「なんで…うちんくにいるのかな…?」
まるで、ちょっと困ったような顔をする日陽に、イラッと来た。
はぁ?あんたがメールで『今日俺んち来い』って言ったんでしょうがっ?
確かに、こんな夜遅くに、私が居たらビックリするだろうけと