小さな約束
さっき会った時よりも、日陽が40センチほど大きくなっていた。
でも、1日でそんなに伸びるわけないし…。
何だか怖くなって両手をきつく結ぶと、二つ目の異変に気づいた。
なんで…。
手が小さくなってるの?
確かに私の手なのに、いつもよりとても幼く感じた。
「鏡…ある?」
口から出た言葉も、私の声のはずなのに、とても幼く、高く感じた。
「ぇっと…。全身鏡なら、あっちにあるよ。」
日陽が戸惑いながら指差した、リビングの入り口付近にあった全身鏡に、私は急いで駆け寄ると、全身鏡に私の全身を映した。
「えっ?」
一枚の全身鏡に映った私は、とても小さく幼くなっていた。
身長は110センチぐらい。クリクリの黒目に、背中までの黒い髪。
それは、どこからどう見ても、小学一年生の時の私だった。
「え〜と、俺が帰って来たら、君が廊下で寝ていたんだ。
どうして、俺の家に入ってたのかな?」
遠慮気味に聞いてくる日陽の質問に、私は焦った。
…青い指輪で小さくなったなんて言ったら、嘘だと思われて追い出される…。
あの青い指輪で小さくなったんだろうから、大きくなるのも、あの指輪が必要だろう。
追い出されたら、あの指輪で元に戻る事ができなくなるっ…!