あたらしい世界
――そして。


最後に、サークル員みんなで集まり、明日の予定のミーティングをして、解散した。


私は東雲部長の様子をうかがった。


音々先輩と笑いながら会話している。


大丈夫かな?


今夜は、部長ひとりで、大丈夫かな。


なんて、ちらっと思っていた。


「おーい、もえぎ、行くよー!」


と、聖二がドアの前から私を呼んだので、部長のことが気になりつつも音楽室を後にした。


「ピザとかパスタ食べたいー」


と莉胡が言うと、


「いや、魚喰いたい。最近喰ってない」


と聖二が言い、


「――鍋だな」


と睦緒が言うと、皆でツッこんだ。


「夏に鍋はないでしょ」


「暑いよ!」


「……」


「……もえぎ?」


「は、はいっ!?」


聖二が突然、私の顔を覗き込んできた。


「何、ボーっとしちゃって」


「いや、ちゃんと話は聞いてたよ。私もパスタ系がいいな」


「そうか」


聖二はそう言って頷くと、先を歩く莉胡と睦緒に向かって、


「もえぎ、パスタがいいってー!」


と大声を出しながらふたりの元へ歩いて行った。
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