はちみつな彼の裏事情
私は鞄の中から折りたたみ傘をとりだすと、それをそのまま広げた。
私のお気に入りの水色の傘だ。
私はそのまま玄関を出た。
「柚希!!」
聞こえる声にとっさに私は振り向く。
祐くん…!!
傘もささないで、雨に濡れる祐くんが立っていた。
いつもならきちんと整えられている髪も、雨のせいだろう、大胆に崩れていた。
そのまま走り寄りたい気持ちを抑えて、
私は低く尋ねる。
「なに?」
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