はちみつな彼の裏事情

何が好きなの?

何が嫌いなの?

誕生日は?

血液型は?




…どんな子が好きなの?



たくさん聞きたいこと、知りたいことはあるのに、聞く勇気が私にはない。
鈴木くんとの距離を縮めたいと願う一方で、きっとまた素っ気ない態度をとって嫌われてしまうのかもしれないという恐れも感じていた。

素っ気なくしたいわけじゃないのに、鈴木くんと一緒にいると、自分が自分ではないみたいに上手く感情を言葉に出来ない。
それは、彼の前で舞い上がってるせいかな。

はあ、なんて短いため息をついて、ぼんやりと黒板を見た。
昨日のうちに綺麗に消されているそれは、まだ綺麗でそのままずっと汚されなければいいのになーなんて馬鹿なことを思った。まぁ要するに、授業しないでよ、って話なんだけど。

だんだんと人が集まってきて、教室にいつもの活気があふれてきた。
もうすぐSHRが始まるから、みんな各々自分の席に着き始めている。

今日も一日始まるな、なんて考えていると。

「あ!」

鈴木くんの声が隣から聞こえた。
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