はちみつな彼の裏事情

「…携帯貸して?」


突然のことでびっくりした私は、言われるまま携帯を渡した。


「ありがとう」


彼はにっこり笑ってお礼を言うと、私の携帯に何かを入力し始めた。

…なんだろう?

そう思って、何いれてるの?

そう聞こうとした瞬間に担任が入ってきた。

私はとてももやもやした気持ちでいっぱいだった。
待ち受け画面は可愛いものだったっけ…
待って待って、あの待ち受けにしといたほうが絶対鈴木くんの好みだったかも…
いやいや、鈴木くんの好み知らないから!

鈴木くんに気に入ってもらえればいいのに…なんておこがましいかな…でも!

なんて一気に頭の中に浮かんで私は先生の話なんかこれっぽっちも頭に入ってこなかった。

少しでも鈴木くんによく思われたい、それだけだった。
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