はちみつな彼の裏事情
始業式が行われる体育館へと向かう途中に親友の一橋春海(はるみ)に声をかけた。
「はるーあのさ、
せっかく鈴木くんのと隣になったのに上手く話せなくって」
はるは長い髪の毛を耳にかけながら
「鈴木くんねー、彼に素っ気なくするのなんて柚希ぐらいだろうね…まぁオーラに圧倒されるのは分かるけどさ…」
「あぁ!そうオーラ!なんかイケメンさんって本当オーラあるのかも。鈴木くん素敵だし、やっぱり私とは違うなって思ったよ」
自分で言って少し悲しくなる。
いくら鈴木くんに憧れたって、やっぱり彼は遠い存在でしかないような気がしたからだ。
「あと私は別に素っ気なくしたくてしてるわけじゃないもん。本当は…」
本当はなに?なんてはるが首かしげて聞いてくるものだから、私は少し戸惑ってしまった。
「本当は、鈴木くんと仲良くなりたいし、素直に話せるようになりたいんだよ」
「素っ気なくしたいわけじゃなかったのね、なるほどね」
はるはニッコリと笑って、柚希がんばって!なんて可愛く応援してくれた。