はちみつな彼の裏事情
体育館では沢山の生徒が規則的に並んでいる。
始業式は着実に進み、最後の校長の話を聞いて、再び私たちは教室に戻ってきた。
教室に入るとすでに鈴木くんの席の周りは女子でいっぱいになっていた。
「祐く〜ん」
女子は鈴木くんに一生懸命話しかけている。
目をキラキラさせて、我を我をと自分を売り込む女子の姿を目の当たりにした。
「すごいね…」
私がその迫力に圧倒されていると、はるは笑いながら鈴木くんの席を指差した。
「でもさ、柚希はあそこ行かないと席に座れないよ?」
「…確かに…」
とか納得してる場合じゃなくて、あの中に私も行かなきゃいけなくて…席に座るため、女子の間をかき分けて進んで行った。
よくもまぁこんなに集まったものだ、と思う。このクラスの女子だけではなく、他のクラスの女子も何人かいる。
本当に鈴木くんって人気者なんだな、なんて再認識させられた。