命の贈り物
「あなたが事実を知ってしまえば、きっと……私と一緒には、暮らしてくれないと思ったの……。弱くて、ごめんね……っ。」
母はずっと俯いていた。
「そんなこと……ない……のに……。」
「それから、勉強勉強って、厳しいことばかり言ってしまってごめんなさいなさい……美沙はいつでも頑張っていたのにね。」
……言われることが、ないと思ってた言葉……。
ずっと聞きたかった言葉。
「よく頑張ったね。」
涙が止まらなかった。
嬉しくて嬉しくて、仕方がなかった。
母は優しく微笑んで美沙の頭を撫でた。
「美沙がいい成績をとってくれれば、あの男の目は美沙にいかないでしょう……?」
母はずっとずっと守っててくれていたんだ。
でも……どうして……?
「どうして……結婚、したの……?」