命の贈り物
「どうして、でしょうね……?」
哀しそうな目をして母は言った。
「……颯太……は……?」
「知ってたの……?」
「……うん。」
「颯太はね、……あなたの実の……父親よ。」
「やっぱり、そうなんだね……。」
寂しそうに呟く美沙を見て哀しそうに母は言う。
「……ごめんなさいね。」
「どうして、謝るの……?」
「黙ってたこと。」
「ううん、こうやって話してくれたんだから……それで十分だよ……。」
「ありがとね。」
「今、颯太……は?」
美沙の質問に母は胸に手をあてて答えた。
「今はね、ここ……。私の心の中で、生き続けてるの……。」
「お母さん……。」
「そしてきっと、私たちのこと、見守ってくれているわ。」
「……そ、なんだ……。」
会うことが出来ないと知ってしまうと、とても悲しかった。
「どうして、颯……お父、さんは……?」
「忘れもしないあの日……。」