命の贈り物
第七章 交錯する想い
「おはよ!だいぶ寒くなってきたねー。」
季節は巡り、冬を迎えようとしている。
私はいつも迎えに来てくれる孝志と涼にいつもどおり挨拶をした。
「いってらっしゃい、美沙。」
お母さんが玄関から見送ってくれる。
「うん、いってきます!」
憧れだった当たり前のやりとりに自然と笑みが溢れる。
「何だよ、幸せそうじゃん。」
涼が腕で私をつつく。
「えへへ。」
嬉しくて嬉しくて笑ってる私。
それを見守る孝志。
何気ない日常だった。
一年前からは考えられない日常。
そんな日常がまたこれからも続いていくと思ってた。
前と日常の形は違っても、幸せは続いていく、私たちの関係は永遠だと。
そう、信じていた。