命の贈り物
終業式が終われば今日の夜はクリスマス会だ。
うちのクラスはもうすでに校長先生の長い長い話など耳に入らない様子だ。
幸せだな、そんな性格……。
そんなことを考えていれば終業式は終わっていた。
「美沙っ!」
「孝志……。」
廊下を歩いていれば、後ろから孝志が走ってやってきた。
「お疲れ様。会長の話、良かったわよ。」
「ありがと。今日のクリスマス会、家まで迎えに行くから。」
孝志は自然と私に歩調を合わせながら言う。
「いいのに。」
「暗いから危ないだろ?それにクリスマス会が始まる前に少しだけ時間が欲しいんだよ……。」
「……ん、分かった。じゃあ待ってるね。」
そう言えば、孝志は嬉しそうに微笑んだ。
しばらくすると教室が見えてきた。
これから最後のLHR。
嫌な嫌な通知表が返ってくる時間。