命の贈り物



通知表の返却と共に賑わう教室。




「やべぇ……っ、俺……死ぬかもしんねぇ……。」




「んなこと言ってたらあんたもう何回死んでんのよ。」




樹が通知表を見て落ち込んでいるところに傷口に塩をぬるかのようにツッコミをいれる咲。





「つーかさ、何であんた、ここにいんのよ?」




「冷たいこと言うなって。」




「はいはい。ってか美沙、榊原くん、いつ来るのよ?」




軽く樹の言葉を流しつつ、咲は私に問う。





「いや……私だってそんなに知ってる訳じゃ……。」



困ったかのように私が言えば咲は通知表に目を移す。



「何よ、メールも繋がらないしさぁ……。」





「じゃあ私だって分かるわけ、ないでしょーが。」




呆れながら私は言う。




通知表を鞄にしまい、椅子に座り直す。




「カナ、今日何時だっけ?」




「7時。時間厳守だからね。」




私の質問に果夏が振り返って言う。




「ってか今日、榊原くん来るよね!?じゃなきゃ意味ないんだけど!」




間に割り込んで叫ぶ咲に私は大丈夫でしょ、と言い再び果夏と会話を始める。




確かに涼、来るのかな……?


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