命の贈り物


私たちの関係はギクシャクしたまま、一日一日がゆっくりと、しかし確実に、過ぎ去っていった。



そうして、あの日はやってきたのだった。



「ねぇ、涼って樹くんと喧嘩したのかな?最近、一緒にいないよね。」




昼休みに孝志と屋上でお弁当を食べながら、私は聞いた。



「……みたいだね。」




孝志はあまり大きな声じゃ言えないけど、と小声で続ける。




「どうも涼が悪いみたいなんだ。……ただ、何だか涼は、わざと樹に嫌われようとしてるように思えるんだよね。」




「……どういうこと?」




「何か、理由があるんだろうけど……。それ以上は分からないな。」




「そう、なんだ……。」





わざと嫌われるなんて、どうしてそんなこと……?




それじゃああの日私に言ったのも嫌われるため?



……まさかね。



そんな訳ないじゃん。




私は知らず知らずのうちにお弁当を食べる手を止めていた。




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