命の贈り物


「……あぁ。」




涼は下を向いてそう答える。




「嘘だ。君はわざと僕らに嫌われようとしてる。何年、幼馴染みやってると思ってるんだ。」




孝志は涼を真っ直ぐと見てそう言った。



「うっせぇなぁ……。誰がお前なんかと好きで幼馴染みになるかっての。」





「涼。」




「お前らさえいなければ良かったのに!」




涼が声を荒げて続ける。




「お前らがいなきゃ、俺はこんな世界に未練なんかなくなったのに!」





静かな保健室に涼の声だけが響く。





「俺だって……死にたいわけじゃねぇんだ……。」




涼の声が弱くなっていく。




「俺、病気なんだよ……。」






死ぬんだって……。





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