命の贈り物



今日は涼は欠席だ。



最近、欠席が多かったのも、あの日走るのが遅くて遅刻したのも




全部、全部病気のせいだったんだね……。





時は変わらない日常を刻みゆき





やがて季節は春を迎えようとしていた。




移り行く季節に私たちは取り残されたかのようだった。




樹くんと涼は喧嘩したまま



涼は私に告白したことをあやふやにしたまま



私は孝志を好きだと思っているまま




咲と涼は付き合ったまま





何も変わらないままに



私たちは3年生へ進級した。





クラス替えのない私たちは、新学期といえども去年と変わらぬ様子で毎日を過ごしていた。





また、変わらない日常が続いていく。





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